公園の遊具事故についてのメールアンケート 結果発表

●遊具の危険性について高い関心

Q1.公園遊具事故について、あなたはどの意見に近いですか? 今回のメールアンケートは、子どもの危険回避研究所のメールマガジンを購読している方々だけでなく、広く一般の方にも募集をかけて回答していただいたにもかかわらず、多くの方々の公園遊具の危険性について関心の高さがうかがえる結果となりました。

 Q1では、b)前から遊具については気になっていた、c)最近事故が多いので気になるようになった、という方々が全体の約90%近くを占めます。

 また、b)c)を選択した方々のほとんどは、10歳以下のお子さんがいる家庭でした。しかし、中には、子どものいない家庭であるにも関わらず、公園遊具が気になると回答した方々も数人いらっしゃったことに驚きました。

 

●遊具の劣化を気にしている人が多数、逆にほとんど気にしていない人も

Sheet4 グラフ 3 遊具事故の報道を聞いてから、近所の公園遊具の危険箇所がないかどうか気にするようになった方々は全体の45%もいることがわかりました。ここでも公園遊具の危険性について、関心度の高さがうかがわれます。気になる点の内訳としては、約50%の方々がサビなどの劣化を気にしている他、指が挟まりそうな構造や突起のある構造などを気にしている方が多くいらっしゃいました。

 そして2番目に多かった回答は、「大人が付き添って見守る」という内容のものです。この回答をした方々は、主に未就学児の親御さんたちでした。中には、自分の子どもだけでなく、公園で遊んでいる他の子どもたちも見守り、危険なことをしそうになったら声かけをしているという方も数人いらっしゃいました。
  しかし逆に、気にしていることは特にないと答えた方々が3番目に多かったということも注目すべき結果です。

●遊具の危険性に対する関心は高くても、実際にしっかりチェックする人は少なめ

Q3.子どもが遊んでいる公園遊具をチェックしてみたことは
ありますか?したことがある方は、その結果を教えて下さい。 Q3では、実際に遊具の危険性をチェックしたかどうかをうかがったところ、28%の方々はチェックしてみたが問題なしとのことでした。チェックの方法としては、実際に一緒に遊んでみる、触ってみる、力をかけてみるなどの方法でした。

 しかし、Q1での関心度の高さの割には、実際にチェックしてみた人は少ないようです。「一応チェックした」「目視のみ」という方々は、チェックの結果に対する回答がなかったので、「しっかり確認できた」というところまでは達していない状況なのではないかと想像しました。


 やはり、「気にはなっているけど、自分でしっかり安全性をチェックするところまではいってない」という方々が一番多いようです。

 

研究所からのメッセージ
遊具の劣化や破損、構造、子どもの使い方…それぞれをバランスよくチェックしよう

 今回のアンケート結果では、公園遊具そのものの劣化への関心が高かったようですが、公園遊具の事故は、さまざまな要因が絡まって起こるものだと知り、遊具の劣化や破損・構造、子どもたちが安全な使い方をしているかどうかなど、バランスよく意識してチェックしていただきたいと思います。
 劣化していたり破損していたりしていなくても、構造上、子どもが指を挟みやすかったり、転落してしまう可能性がある遊具もあります。高い危険性を感じた場合は、公園管理事務所や役所、遊具メーカーに、その不安を伝えてみましょう。気をつけることで防ぐことができそうであれば、子どもにしっかり指導しておくようにしましょう。

 それから、数人の方々から、「大人が干渉しすぎなのでは?」「神経質になりすぎなのでは?」「子どもはけがをして危険回避能力を高めていくものだと思います」というご意見をいただきました。このようなご意見に対しても、私たちは、何事も「バランスが大切」と考えています。確かに、子どもが危険な目にあわないようにするためには、大人が環境を整えてあげるだけでは不十分です。子ども自身の危険回避能力をアップさせるサポートも必要です。だからといって、危険があるものを放置しておいては、また重大な事故が発生してしまうかもしれません。ですから、公園遊具だけに関わらず、他のいろいろなことにも同様に、大人と子どもの両方で、安全について考え、一緒に危険回避していける方法を考えていきましょう。

●参考にしていただきたい回答事例
みなさんにもぜひ参考にしていただきたい回答をご紹介します。

・子どもが遊ぶ前に一通り遊具をチェックし、突起物や破損などがないか見るようになりました。自分がよく行く公園は知り合いの方もいるので、「こんな遊び方をしていたら、事故に遭った」「危ない思いをした」など、話を聞いて自分も気をつけるようにしています。

・毎回、必ずチェックしています。よく行く公園では「ちょっときしむな」など前と感じが違うようだったら、なるべく遊ばせないようにしたり、次に来た方に伝えたりしています。

・張り紙(管理している行政の使用禁止の)は何が書かれているか教える

・普段は子どもだけで遊ばせているので、一緒に公園に行き、どんな遊び方をしているか確認した。アスレチック型の遊具は、木が痛んでいないかチェック。木は目で確認しただけでは傷みが分かりづらいので、実際に立ってみてギシギシいってないか、穴が開きそうな箇所はないかチェックするのが大事だと思った。タイヤ付きブランコは数人で乗って遊ぶので、チェーンの緩みがないかチェック。遊ぶ様子を観察すると、タイヤ付きブランコは危険度大だと思った。他の子が降りるとバランスを崩して転倒した子、ぐるぐると回し過ぎる子、タイヤを持ち上げて投げようとする子がいる事に気付いた。

・例えば、子どもがすり抜けてしまえそうな柵の隙間の間隔とか、高さとかは見るようにしている。

・子どもについてだいたいいつも遊んでいるので、実際に私も遊具は使っているんですが、 滑り台の傾斜がありすぎてドスン!!着地し過ぎることとか、滑り台の横が低くて落ちそうだなあと思ったりする遊具はありました。

・老朽化していたり、怪我をしそうな所がないか確認している。高いところにのぼる遊具や、間違って落ちると危険そうな遊具を使うときには、気を抜かないように充分注意して使うように注意し、近くで見守るようにしている。そういう遊具で遊ぶことを禁止するのは簡単だが、それでは身体の成長の妨げになるし、やらせた方がいいと思う。それに、親から離れたところで遊ぶようになれば、結局危ないこともやるので、見ていられるうちにきちんと覚えさせようと思っている

・ブランコや滑り台をチェックしたことがあります。何重にもペンキが塗られていて それが手すりのところだと 手に刺さって痛いです。ペンキを塗る時は前回塗っていた塗装をはがしてから 塗ったほうが いいと思います。
指先に剥がれた塗料がささりケガなど、同様他1件)

・特に気になるのがブランコです!!ブランコを思いっきりこいでジャンプしたりとても危険なことをする子どもが今もいる
ので注意したりします。あと、ローラー滑り台は小さい子には危険かな!?と思います。我が子がお友達のママと一緒に滑った後ジャンプしようとしたらローラーが回って顔からこけてあごを怪我したという事故がありました。

・近所の公園で、子ども、特に小学校高学年以上が、ブランコ等で、想定外の遊びをしているのを見かけたときに、気になります。小さい子どもたちは、親が一緒のことが多いのですが、小学生同士で遊んでいる場合、特に男子は、本来の目的と違う遊び方をすることがあり、見ていて気になります。しかし、自分を含めて、”そんな遊び方したら、危ない!”と注意をする人はいない。。。

・近所に30メートルのローラーすべり台がありますが、長男には一人で遊んでもいいように許可していますが下二人には、長男か私がいるとき以外は一人でスベってはいけないと言い聞かせています。小学校に入ってからなら一人ですべっていいという約束なので、二人とも早く小学校に入りたいといってます。

・遊具の温度が気になります。滑り台などは高温でやけどしてしまいそうなので、かならず、長袖長ズボンをはかせています。落下も気になります。コンクリートではなく、海外の公園のようにウッドチップを敷き詰めてほしいです。

・公園のブランコの座る部分の木が割れてしまい、町会長さんに交換をお願いしました。小さい町なので、すぐに新しい木に取り替えてもらえました。業者の安全確認がないような小さな公園なので、近所の人やお母さんたちが管理責任をもっています。

・ 危ないとされている回転遊具がまだ残っておりますが、子どもには楽しいようで幼児から中学生までが楽しんで遊んでいるのをみかけます。わが子も遊びたいというので遊ばせますが、誰かしら大人がついて子どもが地面との間にはさまれたりすることがないように、「お友達が降りたいって言っているよ」 「怖がっているからとめてあげて」と事故がおきないように気遣っているように思います。

・ 着地面にコンクリートがむき出しになっている滑り台やうんていが危険という記事を目にした事があり、自分の通う公園の遊具がそのタイプでないことをチェックしています。

・親子それぞれの視点で遊具をチェックするという記事を読んだ事がありますがそこまでは実施したことがありません。簡単にできるチェック方法などがあれば、自分の行く公園でも実施してみたいものだと改めて思いました。

・私は元々市で公園の設計関係の仕事をしていたので、初めて行く公園は必ずチェックします。
1. 遊具下部   
犬の小便で鉄が腐食していないかどうか。 フェンスでよくあります。基礎コンクリートがむき出しになっていないかどうか。 子供が転倒した際、大変危険です。  古い公園は結構多い。
2. 遊具上部   
溶接部分やボルトがしっかりしているかどうか。
3. 全体として   
塗装やサビの状態はどうか。 サビが手に付いたら嫌ですもんね!夏場は遊具が熱くなるので、ステンレス製の滑り台などの温度にも気を遣います
4. ブランコ
下の土が掘れていないか。 下に土がないと小さい子どもは足が届きませんので・・・鎖がからまっていないか。
 元設計者の立場で簡単に書かせて頂きましたが、公園管理者には施工管理と日常の点検管理を徹底してほしいものです。また保護者の立場として、不足の事態に備えて、どのような危険があるのかを知り、予測することである程度事故は防げるものと思います。