「狂牛病」をきちんと知ろう!2


トピックス  各業界の企業および団体の対応は?

 先日、当サイトの掲示板に以下のような投稿がありました。

 最近はテロと狂牛病の話題で大変な事になっていますが、友人からの話によると、肉やホルモンに限らず、牛から取れるものは、ゼラチンがあります。日本で輸入されているゼラチンは、アメリカやオーストラリアのものなので安心という記事を読みましたが、加工されているお菓子類はどうなんでしょうか?
 薬剤師の友人が言うには、子供に『グミ』を食べさせてはいけないというのです。確かにグミの材料には、ゼラチンが含まれていますね。加えて、薬のカプセルの原料にも使われている可能性があるそうです。薬品メーカーには、どんな物質が使われているか発表された所はありますか?
 よく分からない中に含まれている可能性があるとなると、肉を食べなければ安心<とはいえないような気がしています。いかがでしょうか?

 そこで「子どもの危険回避研究所」では、新聞記事などを参考に、何らかの対応を発表している主な企業や団体などをまとめてみました。
 このページを参照しても理解できなかったり、製品に疑問を持ったりした場合は、各メーカーに直接問い合わせてみるのがよいでしょう。

*参考資料
・ニュースと解説@食品産業オンライン
・牛原料の化粧品や薬 自主回収(Yomiuri On-Line 2001年10月20日)
・牛原料医薬品など自主回収126品目に(Yomiuri On-Line 2001年10月19日)
・狂牛病ショック1か月 加工食品にも混乱拡大(Yomiuri On-Line 2001年10月10日)
・狂牛病―加工食品も自主回収へ(Yomiuri On-Line 2001年10月10日)
・牛加工品回収指導 業界、家庭に波紋(Yomiuri On-Line 2001年10月5日)
・狂牛病Q&A 第4回 (Mainichi INTERCTIVE 2001年10月14日)
・狂牛病Q&A 第3回 (Mainichi INTERCTIVE 2001年10月9日)
・狂牛病Q&A 第2回(Mainichi INTERCTIVE 2001年9月28日)
・狂牛病Q&A 第1回(Mainichi INTERCTIVE 2001年9月18日)
・狂牛病禍…胎盤利用の健康食品、感染国以外の素材ならOK−−厚生労働省が説明 (Mainichi INTERCTIVE 2001年3月22日)

<狂牛病感染の危険度(EU医薬品審査庁による分類)>
【高度感染性】
 脳、せき髄、目
【中度感染性】
 回腸、リンパ節、近位結腸、ひ臓、へんとう、硬膜、松果体、胎盤、  脳せき髄液、下垂体、副腎
【低度感染性】
 遠位結腸、鼻粘膜、末しょう神経、骨髄、肝臓、肺、すい臓、胸腺
【感染性なし】
 心臓、腎臓、乳腺、牛乳、卵巣、唾液、唾液腺、精のう、血清、骨格筋、  こう丸、甲状腺、子宮、胎児組織、胆汁、骨、軟骨組織、結合組織、毛、皮膚

「狂牛病」の概要などはこちら⇒「狂牛病」をきちんと知ろう!


[1] 菓子製造業界

江崎グリコ 牛脂やゼラチンについては、もし病原体である異常プリオンが含まれていたとしても完全に不活性化されるというオートクレーブ処理(250〜300℃、2時間減圧水蒸気蒸留)、アルカリ処理を行い、焼成骨粉については1000℃以上で1時間以上焼成されており、たんぱく質は完全に不活性化されている、という内容の安全宣言を10月5日に発表。
BSE(狂牛病)に対する江崎グリコ製品の安全性について
明治製菓 ビーフパウダー、ビーフエキス他牛由来原材料、ゼラチン、コラーゲン、蛋白加水分解物、骨カルシウムの特定危険部位の不使用に加え、更に国際基準以上の処理がなされたものを使用していたことを確認し、10月10日にHP上で消費者に報告。また、グループ会社(株)メイプは牛骨と骨髄を原料とするカルシウム剤の製造・販売を9月末で中止。
弊社商品の牛由来原材料の安全性について
森永製菓 使用している牛由来の全ての原料について安全性を確認し、10月12日、保健所に報告書を提出。安全確認が済んだ製品についても、消費者の不安を解消するため、ゼラチンやエキスの原料を牛から豚に切り替える方針。
BSE(狂牛病)に関する弊社製品の安全性について
カルビー 使用している牛由来の全ての原料について安全性を確認し、10月12日にHP上で消費者に報告。
弊社製品の牛由来原材料の安全性について


[2] 食品加工業界

日清食品 原料調達ルートの調査結果をホームページ上で公開している他、10月12日には、全製品の原材料について自主点検を終了し、保健センターに所定書類を提出済みとHPにて消費者に報告。
狂牛病問題について
ハウス食品 ホームページ上で告知を行ない、レトルトカレーなどで使用している牛肉は基本的にオーストラリア、アメリカ産であり、 一部製品に使っている神戸産牛肉については、兵庫県が「県内の全牛を調査し問題のある牛は いなかった」と公式発表していることを説明。10月16日には、牛関連原料に、特定危険部位の使用や混入がなかったかについての調査・確認が終了し、所轄保健所へ関係書類を提出したこともHPにて消費者に報告。
狂牛病に対する製品の安全性について
ヱスビー食品 10月12日、牛関連の使用原料について安全性の確認が取れ、保健所に関係書類を提出したことをHPにて消費者に報告するとともに、調査結果内容も掲載。
狂牛病問題に対する弊社製品の安全性について
味の素 10月17日、牛関連の使用原料について安全性の確認が取れ、保健所に関係書類を提出したことをHPにて消費者に報告するとともに、調査結果内容も掲載。更なる安全対策として、一部の国内産を海外産牛骨に切り替えることを決定。
牛由来原材料に関する安全性確認についてのお知らせ
よくあるご質問Q&A
ニチレイ 牛肉は、従来より、狂牛病の発生していないオーストラリア・アメリカからの輸入品を中心に使用、牛脂・ゼラチンは、狂牛病の感染の可能性が無いとされる部位を使用し、製造過程で感染因子が取り除かれるよう、充分精製されたものであることを、納入業者の証明書により確認、ビーフエキス・たん白加水分解物は、特定危険部位(脳・眼・脊髄・回腸遠位部)を使用していないことを納入業者の証明書により確認していることを、10月6日、HPにて消費者に報告。また、10月31日には安全確認が完了したこともHPで発表。
狂牛病に対する弊社製品の安全性について
狂牛病に対する安全確認についてのお知らせ
はごろもフーズ 10月5日に牛関連の使用原材料を調査結果とともに、更なる安全対策として牛肉は国産から外国産へ、また国産牛由来の素材は、外国産牛由来のもの、牛以外の素材などに順次切り替えていく方針をHP上で発表。10月22日には牛関連素材を使用している全製品の安全性の調査・確認の結果もHP上で発表すると同時に、所轄保健所に報告。
狂牛病問題に関する弊社の見解と対応
狂牛病問題に関する弊社製品の安全性について
日本ハム 豪州の自社牧場の牛肉を使っているため、日本で加工する限り原料肉に内臓や脳が混入することはないと説明。またハム、ソーセージは豚肉製品が8割以上を占め、牛肉製品も豪州などからの輸入肉を使っているので安全性に問題はなしとのこと。 その他、牛由来の原材料にも、特定危険部位(牛の脳、眼、脊髄、回腸遠位部)は使用していないので安全、とHPでも発表。
BSE(牛海綿状脳症)に対する弊社製品の安全性について
丸美屋食品 10月5日、牛関連の使用原料について調査・確認の結果、牛関連原料の原産国、部位等の確認ができたことをHP上で発表。
狂牛病問題に対する弊社製品の安全性について(→丸美屋食品TOPページから探して下さい)
ネスレジャパングループ 10月16日、牛関連の使用原料について安全性の確認が取れ、保健所に関係書類を提出したことをHPにて消費者に報告するとともに、報告の概要とともに今後の対応について掲載。
狂牛病に対する弊社製品の安全性について
ハインツ日本 10月6日、業務用および家庭用食品について、特定危険4部位を使用していないこと、狂牛病(BSE)発生国以外の国のものであること、世界保健機構(WHO)等において示されたBSEの異常プリオンを不活性化させるのに十分な化学的処理や加熱処理がなされていることをHPにて消費者に発表。
狂牛病(BSE)問題に係わる弊社商品の安全宣言(→ハインツ日本TOPページから探して下さい)
大塚製薬 10月15日、大塚製薬が製造している食品について、牛由来原料の点検、精査を終了した結果、全ての製品において、牛の特定危険部位、狂牛病(牛海綿状脳症)発生国及び原産国不明の牛由来原料は一切使用していない旨所轄の保健所へ報告。
牛由来原料に関する調査結果のお知らせ(狂牛病関連)
アリアケジャパン 10月3日HPにて、創業以来37年間、脳・脊髄・眼・回腸を使用したことは1000%ない、と発表。しかしながら、食品メーカーや外食企業からの問合せが多いため、95%は米国産で、残りが九州産だった牛エキスの抽出原料をすべて米国産に切り替え。同社は畜産系天然調味料市場で50%のシェアを持ち、即席麺メーカーへの牛エキスの納入シェアは特に高い。また外食企業などへのスープ素材販売でもシェアが高い。
臨時会社説明会 -狂牛病に関する当社の対応-
狂牛病に関する当社関連記事と当社の狂牛病に対する見解について


[3] 薬品・化粧品等製造業界

 厚生労働省のまとめによると、狂牛病発生国の牛などを使用した医薬品や医薬部外品について、メーカー側が自主回収した数は10月19日までに126品目に上り、内訳は、軟こうなど医薬品が45品目、「美白」効果をうたった薬用化粧品など医薬部外品が44品目、保湿クリームや乳液など化粧品が27品目、縫合糸など医療用具が10品目。
 自主回収の指導対象となったのは、昨年12月に同省が使用を禁じた「狂牛病発生国」「発生危険国」の牛や、「非発生国」の牛の脳、せき髄など危険部位を原料とした医薬品。国産牛の使用も原則禁止だが、危険部位を使ったもの以外は回収対象には含まれていない。

大塚製薬 医療用医薬品の栄養剤の原料に国産牛の使用やめ、米国やインド牛に比重を移すなどと対応。
HPには記述なし
小林製薬 牛皮については病原体の存在は確認されていないが、消費者の不安心理に応える措置ということで、コラーゲンの抽出原料を牛皮から豚皮に切り替。
HPには記述なし
大正製薬 10月4日から、肌の色を白く見せる“美白”作用がある牛のプラセンタ(胎盤)エキス配合の薬用化粧品3製品を回収開始。小売店などのほか、家庭ですでに使っているものが対象。
HPには記述なし
持田製薬 牛の血液自体は感染リスクがないとして国産牛の血液から止血剤の成分を取り出していたが、より安全を期して豪州の牛に切り替えを決定。
HPには記述なし
中外製薬 貧血剤の原料を豪州牛への切り替え、ゼラチン不使用タイプを発売。
HPには記述なし
アサヒビール薬品 厳密な原材料の調達経路、処理方法等の調査を実施し、全く問題がないことが確認されたことをHPにて消費者に報告。その他、心配されていた各製品の詳細についても言明。
狂牛病関連情報と、弊社製品の安全性について
ファンケル 一部の製品に使用されている牛由来の成分「コラーゲン」は、プリオンが存在していない部位である"牛皮"と"牛骨"から抽出していること、カプセルに使用されている「ゼラチン」は異常プリオンを不活性化するアルカリ処理やWHOが指定する加圧・加熱処理基準(3気圧、138度)に準じた処理を施しいることなどを説明し、化粧品としての安全性に問題がないことを報告。さらに消費者の不安を取り除くため、牛由来の成分から豚や鶏、植物など由来の成分に切り替えを進めていくと発表。
BSE(ウシ海綿状脳症・狂牛病)に関する弊社使用の牛由来成分の安全性について
花王 プラセンタエキス入りの化粧品や薬用化粧品21製品の回収について、10月10日から小売店などに協力を呼びかけ。
HPには記述なし


[4] 生協、スーパー、レストランなど

グリーンコープ連合 安全性がはっきりするまでの経過措置として、米国、豪州産の牛も含め、牛エキスの入ったカレー、ミートソース缶など35品目の取り扱いを中止。 その他、グリーンコープの取り組みについて、かなりこまめにページ更新。
狂牛病問題
コープこうべ 10月20日、コープ商品の「牛由来原材料」、コープこうべ食品工場で生産されている商品の「牛由来原材料」、メーカーブランド商品の「牛由来原材料」は、製造加工を委託している各製造・加工メーカーが保健所に提出した書類等で安全を確認した、と発表。
「狂牛病」についてのお知らせ/取り扱い商品の調査結果について(2001年10月12日現在)
「狂牛病」についてのお知らせ(2001年10月20日現在)
ジャスコ 狂牛病騒動があった9月中旬、すべての自社製品を対象に、原料に牛が使われているかどうかを独自調査。牛由来の原料のうち(1)欧州連合(EU)が安全とみなした国か(2)危険部位を使っていないか(3)国際基準で安全性が確認されている処理法(3気圧で133度以上、20分以上の高温滅菌)がとられたか、の3条件に合わないものを撤去する自主基準を決め、感染の恐れのある国の牛や部位を使った可能性を否定できない商品については、店頭から撤去すると決定し、牛のゼラチンやエキスを利用した食品のほか、ポテトチップやピザなど84品目を、9月28日に撤去。自主基準の厳しさは、あくまで消費者の不安を解消するためと強調。
HPには記述なし
デニーズジャパン メーカー側に使用部位は確認したが、「目に見えず危険部位が混入している恐れも否定できない」ため、牛を原料にした調味料の使用中止を検討。(10月5日現在)
HPには記述なし
レインズインターナショナル 使用している和牛は、卸業者から肉骨粉を使用していない牛であることが証明され、狂牛病を含む検査に合格して安全が確認されたものであるが、消費者の間で不安感が増していると判断し、使用中止を決定、9月26日から和牛の使用を見合わせ。当面は米国産、オーストラリア産の牛肉だけを使用。和牛の仕入れ再開は、政府の対応や社会的状況をみて検討。
狂牛病報道による当社への影響について


[5] その他関連団体など

厚生労働省 標記について、10月12日までに各製造者又は加工者より所轄の保健所にあった報告の概要を発表。報告を行った製造者及び加工者の総数は3,505、加工食品の総数は28,527。
製造・加工者毎、加工食品毎の報告内容
特定危険部位を含むおそれのある牛由来原材料を使用して製造又は加工された食品の安全性確保に係る自主点検の結果について(中間とりまとめ)
医薬品情報提供ホームページ このサイトは、特殊法人「医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構」によって管理されていて、医師や薬剤師向けの内容となっている。先ごろ、「医薬品等の回収に関する情報について 」には、「BSE」(狂牛病)の項目が新たに追加された。各社が自主回収を報告している商品は、10月19日現在126品目。目立つのは、プラセンタなどが入った薬用化粧品と、保湿クリームや乳液などの化粧品。シャンプーや育毛剤、軟こう、胃腸薬など薬品もあり、今後も増える見込み。
医薬品等の回収に関する情報について
日本ハンバーグ・ハンバーガー協会 食品会社が作るチルド(冷蔵)ハンバーグには狂牛病未感染地域の米、豪州から輸入した牛肉が使われていて、解体した肉を冷凍輸入し、国内工場でひき肉にしたあと成形・加工するため、脳や内臓、骨を同時に輸入しないので混入はあり得ないとのこと。 (毎日新聞9月28日の記事により)
HPなし
〒103 東京都中央区日本橋室町4-3-5 室四ビル 03-3245-0228
社団法人・日本セルフ・サービス協会 10月4日、社団法人・日本セルフ・サービス協会(増井徳太郎会長)、社団法人・全国スーパーマーケット協会(堀内博理事長)、日本スーパーマーケット協会(清水信次会長)は連名で、総理大臣、農林水産大臣、厚生労働大臣宛てに「政府の対策に関する要望書」を提出。食品流通を担う団体として、食の安全性確保と再発防止に向けた体制づくりを早急に行なうことを政府に求めたもの。
BSE(狂牛病)対策に関する要望書の提出について
社団法人・全国スーパーマーケット協会 同上
狂牛病対策への要望書を提出
日本スーパーマーケット協会 同上
HPには記述なし