あらゆる「ドア」の事故から子どもを守る 


トピックス  最近「ドアの事故」が多いような気がしませんか?

 2002年9月、東京駅において、京葉線でベビーカーの片方の前輪の支柱付近を挟んだまま電車が発車し、ホームを約20メートル引きずって、緊急停車するという事故があったのを覚えていますか?ベビーカーは転倒し、乗っていた男の子が額にけがをしてしまいましたが、幸い軽傷でした。 その1カ月後、秋葉原駅(東京都千代田区)でもベビーカーを挟んだ状態で発車し、約10メートル引きずったという事故が起きています。これらの事故をきっかけに、JR東日本は首都圏を走る在来線のドア下部にわずかな異物が挟まっても検知できるよう、2003年10月30日から改良に乗り出しました。山手線や京浜東北線などから始め、2004年春までに終える計画だそうです。

 電車のドアだけではありません。2003年11月17日には、福島県本宮町の国道4号にある「万世(ばんせい)地下歩道」の地下部分から地上に出るエレベーターで信じられない事故が起きています。このエレベーター女性がベビーカーに自分の男児と知人の幼児(ともに1歳)に乗ろうとしたところ、ベビーカーの先端部がエレベーター内に入ったところで突然ドアが閉まり、ベビーカーを挟んだまま上昇開始してしまったというのです。女性はあわててベビーカーから男児を抱えて外側床部に降ろし、次に知人の幼児を降ろしましたが、エレベーターは残ったベビーカーを乗せたまま、1階まで上昇。 しかしなんと、その間、先に助けられた男児がエレベーター下部の穴に入り、約1メートル下の床まで転落してしまったのです。この男児は、口の中と頭部に切り傷や打撲など全治2週間の傷を負ってしまいました。
 どれも本当に恐ろしい事故ですね。どの事故でも、子どもたちが重傷ではなかったということが、せめてもの救いです。

 大きなニュースとして報道されたのは、以上のような事故ですが、日常的には「ドア」の事故というのはとても多いのではないでしょうか?当研究所の常設アンケートへの回答にも、「地下鉄のドアでお子さんが手を挟まれた」という体験談が寄せられています(2003年10月)。実は私(にしえ)の長女はこの夏、主人の実家の玄関の蝶つがいのところで、手の小指を挟んでいます。また、つい先日は、大型スーパーのエレベーターのドアにも手を挟んでしまいました。私も十分注意しているつもりではいるのですが、お恥ずかしいことに、防ぐことができませんでした。幸い大したケガではありませんでしたが、できることなら、こういう事故を少しでも防ぎたいと思い、今回のトピックスにしました。


*表の見方
ホームページ(トップページ)です 内容の紹介です
今回のトピックスに
該当するコンテンツです


[1] 電車のドアの事故を防ぐために

 冒頭でもお話しました通り、ベビーカーがドアに挟まってしまうという事故が起きています。このような事故を防ぐためにドアの改良もされるようですが、それまでに私たちができることは何か考えてみました。


できる限り、ベビーカーで電車を利用しない

もしやむを得ず利用する場合は、時間の余裕を持って行動する。 (決してベビーカーで走りこんで乗車などしないように!)

ラッシュ時を避けたり、各駅停車を利用するなど、なるべく混雑のない電車に乗る

●車掌さんや、駅員さんがいるドアを選んで乗車する。(列車の最後部など)

できれば大人2人以上と出かけるようにし、乗車時は手伝ってもらうようにする。

歩ける子どもと乗降する際は、必ず手をつなぎ、ドアに手を触れさせないようにする。

子どもの事故予防情報センター 
SAFETY SITE
この事故について、「要因」「予防策」「この事故に付随して考えるべきことは?」などがレポートとして掲載されていて、大変参考になります。
電車がベビーカーを挟んで20m引きずり2歳児軽いけが [2002.9.4報道]
南日本新聞ニュース 子どもだけでなく、大人も電車のドアに注意が必要であるという事例です。
特定記事への直接リンクはできないので、南日本新聞ニュースのTOPページから、「鹿児島市電・超低床車 ドア開口時に客の手挟む」というキーワードで記事検索してみてください。
鹿児島市電・超低床車 ドア開口時に客の手挟む [2003/02/27]

 

[2] エレベーターのドアの事故を防ぐために

 エレベーターの利用は、電車の利用に比べてかなり日常的ですよね。買い物に出かければ、ほとんどの方々がエレベーターを利用することになるでしょうし、子ども連れとなればなおさらでしょう。
 通常エレベーターは「安全である」という認識であると思います。たとえ閉まる瞬間に手を挟んだとしても、クッション的機構により痛みもなく、ドアもすぐに開くようになっています。しかし、冒頭で紹介した事故のような「誤作動」がないとは言えないため、やはり注意は必要です。
 最も気をつけなければならないのは、「開く」時に、戸袋に手を引き込まれてしまうケースです。私の長女はこのケースでした。あわてて私が引き抜いたところ、擦り傷と軽い腫れで済みましたが、これも運が悪ければ、骨折、切断という結果になりかねません!十分注意しましょう。


子連れ(ベビーカーを含む)の乗降時は、誰かに「開ボタン」もしくは「開・延長ボタン」を押してもらう。
 (他に人がいない場合は、親がボタンを押して、子どもを先に乗せるようにする)

子どもはドアに手が届く場所には立たせない。(ベビーカーを乗せる場所も同様)

混雑しているエレベーターは無理をせず見送る。

国民生活センター 閉まりかけたエレベーターのドアの透き間に手が入り込み、7針を縫うケガを負ったというまれな事故で、施設管理者であるデパートに損害賠償を求めた事例の詳細です。
エレベーターのドアの透き間に手を挟みケガ [2002年8月]

 

[3] 店舗やマンションなどにおける自動ドアの事故を防ぐために

 ほとんどの店舗では自動ドアが設置されていると思います。挟まれても大人なら大事に至らないことも、子どもの場合は大ケガになりかねません!


自動ドアを通過する際は、親がドアの前に立ってドアを開け、子どもが完全に通過するまで、 そのままの状態でいる。

自動ドアがすぐ近くにある場合、子どもが近寄らないよう、十分気をつける。

生活安心情報提供サービス 自動ドアのセンサーが感知する範囲に死角があるということなどの注意点が書かれています。
自動ドアの事故防止
OPTEX 1992年以前の古いセンサー機能の自動ドアは、ゆっくり歩いて通る子どもやお年寄りを感知せずに閉まってしまう場合があるそうです。最新式のセンサは特殊な方法で静止する人も検出するので、このような事故が起こりにくくなっています。このページでは、古いセンサーの見分け方などが紹介されています。
自動ドアは安全ですか?
国民生活センター 若干古いデータではありますが、注意事項などは十分参考になります。
消費者被害注意情報(危害情報システムから) No.19
便利さのかげに思わぬ危険!自動ドアで重傷事故 [1998年3月5日:公表]
オートドアについて こちらも若干古いデータではありますが、注意事項などは十分参考になります。挟まれる事故だけでなく、閉まっているドアに激突してしまう事故もあるということなども書かれています。また、マンションなどの自動ドアの正しい管理方法なども参考になります。
自動ドアの危険性について考える


[4] 家庭内におけるドアや車のドアの事故を防ぐために

 危険なのは自動ドアばかりではありません。家庭内のありとあらゆるドアにも危険が潜んでいることを忘れないで下さいm(_ _)m


ドアを開閉する際は、近くに子どもがいないかどうかよく確認して、ゆっくり開閉する。

上記の注意を、子どもたち自身にも言い聞かせる。 (兄弟同士の事故を防ぐため)

蝶番部分に事故防止グッズを取り付けるなどの対策を講じる。

玄関のドアは重い場合が多いので、特に厳重に注意する。

ドアだけでなく、サッシや網戸などにも注意が必要。

車のドアを開閉する際は、子どもに「開けるよ」「閉めるよ」と必ず声かけをする。

風の影響などで突然開いたり閉まったりしてしまう可能性のあるドアには、必ずドアクローザーやドアストッパーを設置する。

セーフキッズ ウェブ 玄関のドアの事故を防ぐためのワンポイントアドバイスがあります。
日常の危険シーンと事故防止策/玄関
ミサワホーム 家の中のドアや引き戸の事故を防止するための注意が書かれています。
建具、家具まわりの事故に注意
ミサワホーム ドアやサッシによる事故は、歩きはじめたころから年齢とともに増えていき、3〜4歳でピークになるのだそうです。このページでは、安全な住まい作りについて提案されておりますが、リフォームなどをしなくても実行できる対策もあり、 参考になります。
MISAWA SAFETY REPORT4 サッシ・ドア
住まいの安全:ドアでの事故は上位
赤ちゃんの手作り安全グッズ & etc おうちで手作りできる安全グッズが紹介されています。
うち見て!