公園の水遊びスペース、どう思いますか? 


トピックス  ジャブジャブ池で子どもを遊ばせる時、危険を感じたことはありませんか?

 夏になると楽しいのは水遊び!まだ水遊びの時期には少し早いのですが、研究所に1通のメールが届きました。某公園にある「ジャブジャブ池」に危険を感じる、という内容のメールでした。
 このメールがきっかけで、研究所では、その問題の公園のジャブジャブ池を視察した他、全国に存在する「ジャブジャブ池」に関する情報をネットで集めてみました。

 そこで、みなさんにお願いです。 みなさんのご意見や体験談を募集したいと思います。以下のような内容で、研究所宛にメールをお送り下さい。抽選で20名の方々に図書券500円を進呈いたします。(締切7月31日まで)
 ・ハンドル名
 ・在住都道府県
 ・メールアドレス
 ・以下のトピックスの内容に対するご意見・ご感想
 ・ジャブジャブ池(その他の公園の水遊びスペース)での体験談
   →事故やケガの体験談以外でも、安全に楽しむことができたレポートでもOK!できるだけ詳しくお願いします。
  ジャブジャブ池の写真、お子さんが遊んでいる様子の写真などございましたら、添付してください。
送り先→info@kiken-kaihi.org



[1] 某公園の「ジャブジャブ池」 一般の方からの警告

 先日、研究所に届いたメール文面を抜粋して、以下に掲載いたします。

 以下、抜粋です。
 _______________________________________________________________________________

 その施設は●●●公園の、ジャブジャブ池という施設です。
<中略>
  この施設は、子供が水に親しめるようにと、夏場に子供とその保護者に解放する子供専用の人工池のようです。夏場は監視員がいて、安全に留意しているようにも見えたのですが、冬場に水がほぼ抜かれて、全容が見えるようになって、唖然としました。
 恐ろしい事に、コンクリート打ち付けなのです。水を貯める施設では、基礎工事にコンクリートは当然なのですが、子供が遊ぶ場合、なんらかのクッションが必須だと思います。
<中略>
  このジャブジャブ池の場合、深さが無い為、溺れるという心配は無いと思いますが、水深が浅い為、予想される事故は転倒だと考えられます。そして、転倒した場合は、年齢制限が小学生以下に指定されていますので、小学生以下の幼児が、クッションも無しに、コンクリートに叩き付けられる事が予想されるのです。
 プールでの事故でかなり危険な事故としてプールの外周での転倒があります。このジャブジャブ池は、水に入り易いようにと考えたのか、池の大部分がなだらかな、広いコンクリートスロープで構成されいる所です。恐らく、デザイン側は海水浴場などの砂浜を意識したのだろうと推測しますが、砂浜で水に足を取られても、下は深い砂なので、水深が浅くても、砂がクッションとなり、どんな転び方をしても、精々、ねんざ程度で済みます。しかし、これがコンクリートとなると、まったく異なると言わざるえないでしょう。走り回るのに十分な広さをとってあり、くるぶしから膝下程度までの足をとる水が張られ、スロープ、いうまでもありませんが、この条件だと後方などへの転倒が起き易いデザイン、そして、致命的とも言える生のコンクリート面。
<中略>
 溺れた場合と異なり、転倒の場合、監視員がいても、まったく安全に留意した事にはなりません。一瞬で起こる事ですし、溺れた場合と異なって、コンクリート面への転倒の場合、必要なのは、外科手術ですし、頭部や脊椎損傷の場合、迅速に手術が行われても障害が残る可能性が非常に高いものとなります。
 たかが転倒と考える人もいらっしゃると思います。子供は転倒するものですから、安全面を考える立場の人が甘く見る場合が多いとも思います。しかし、水が張られた、つまり、足を取られる場所で、子供専用の施設で、コンクリートでの転倒は冗談事では済まないと思います。子供用の転ぶ事を前提として作られた施設は土や芝生などクッション効果があるものです。堅い場所での幼児の転倒を憂慮するのは理由があって、私の幼なじみが、子供の時に転倒して脊椎損傷を受け、下半身不随になっているからです。
<中略>
 既に事故が起きているのかどうか、分からないのですが、もし今までなかったとしても、致命的な事故が起きてからでは遅いとも思います。今は冬ですから、今から工事や予算等の割当を行えば、こうした事故は未然に防げると思います。

[2] 某公園の「ジャブジャブ池」 視察レポート

 以上のレポートを受けて、研究所副所長にしえが、さっそく視察に行ってまいりました。

掲示板には、「小学生以下」の遊び場であることが明示
 
 警告のメールにあったとおり、小さい子どもたちの遊び場である以上、事故防止のための配慮が充分でなければならないと思いました。

 掲示板の中の注意事項には、「水にぬれたところはすべりやすいので、飛びおりたり、走りまわったりしないこと」と書いてありますが、小学生以下の子どもでもわかるよう、大きなイラストやピクトグラムなどで表示する必要があるのではないかと思いました。
コンクリートの「角」が多すぎる
 
 あちらこちらに尖った「角」があり、非常に危険を感じました。

 小学生以下の子どもということは、まだ歩行もままならない乳幼児も含まれるはずで、それを考えると、走らないまでも、普通に歩いていてちょっとよろけただけでも、こういった角で顔面を打ってしまったりしたら…と恐怖を感じました。
段差が激しい
 
 水遊びを想定した遊び場であれば、これほどの段差は不必要なのではないかと思いました。そして、段差の下がダイレクトにスロープになっていることにも、不安を感じます。せめて安全に着地するためには、平面である必要があると思います。まして、小学生以下を想定しているのであれば、なおさらです。

 もしも「子どもの冒険」としての段差であるなら、やはり地面の素材に配慮が必要になってくるのではないでしょうか?
スロープと細い橋の組み合わせは危険なのでは?
 
 スロープから急に細い橋につながっている部分がありました。これは非常に危ないと思います。

 何度も申し上げますが、ここは小学生以下対象の遊び場です。スロープが単独で存在していたり、細い橋が単独で存在しているならば、小学生以下子どもでもチャレンジできる範囲のものであると思いますが、この二つがドッキングしているというのはどうでしょう?

 そしてすべてがコンクリート製であることを考えると、本当に怖い場所だなあと実感しました。


[3] 子どもの危険回避研究所からの提案

 一般の方からの警告メール、研究所スタッフの現地視察により、子どもの危険回避研究所としては、以下のような対策が考えられると思います。

できれば、ゴム製の地面
子どもの転倒を前提に考えると、やはりコンクリート製よりは、ゴムなどの素材が望ましいと思います。部分的に人工芝のようなものが敷かれていましたが、事故防止の有効性を感じることはできません。

この件について、NPO プレイグラウンド・セーフティ・ネットワークにお伺いしたところによると、

60cm以上の高さから転落する可能性があれば、やはりコンクリートやアスファルトなどの硬質設置面は危険ですので、何かしらの改善が必要ではないでしょうか。転落・転倒による危険性は、落下する高さと角度組み合わせにより変化します。勿論、ご指摘のように高さの無い場所での転倒でも、打ちどころ(部位・角度)によって脊髄損傷などのケースも起こりうると思われますが、ごくごくレアケースになると思われますし、逆に、柔らかい設置面にしても、打ち所が悪い場合には、そうした事故は避けられないと思われます。よって、こどものアクセス可能な場所をすべて柔らかくすることはなかなか難しい問題です。

とのことでした。 確かに、ネット上で全国の公園の水遊びスペースを検索してみると、ほとんどが石やコンクリートでできていることがわかりました。

以上について踏まえた上で、コンクリート製の水遊びスペースを想定した時、私たちは以下のような対策も考えてみました。

各所に子ども向けのハザード表示(文字ではなく、絵やピクトグラムで)
注意事項が書かれている掲示板が文字だけだったので、これでは子どもたちに注意を促すことはできないと思いました。しかも、子ども達は遊んでいる最中には、そういった注意事項など目に入らず、先に親と読んでいたとしても忘れてしまっているでしょう。そこで、スロープや段差のところそれぞれに、子ども向けのハザードを表示することで、子ども達が遊んでいる最中にも、注意喚起することができるのではないでしょうか?

スロープに手すり
走らないということを前提にするのであれば、手すりを設置することで、さらに安全度を上げることができるのではないでしょうか?

年齢に応じた遊び場を区分け
小学生以下の遊び場ということですが、よちよち歩きの1才と、来年小学校に入学する年長園児とでは、かなりの成長発達における差があるので、各年齢に応じた「冒険」に「安全」にチャレンジできるよう、地面を色分けするなど、年齢に応じて遊び場を区分けするとよいのではないでしょうか?

この件につきましては、冒頭で募集いたしました皆様のご意見と共に、子どもの危険回避研究所・所長・横矢が、「東京都福祉のまちづくり推進協議会」の委員として提言していきたいと考えていますので、ご協力お願い致します。



[4] 全国の水遊びスペース情報

公園情報センター  どこの水場もコンクリートか石なのですが、私たちが視察したジャブジャブ池のように、角がむき出しであったり、角度のついたスロープが入り組んでいるようなジャブジャブ池は見当たらないような気がします。
子ども用水遊び施設情報(都内)
国営ひたち海浜公園

 このPDFファイルの3ページ目に、水遊び広場についてが記載されています。私たちが提案しているように、年齢によって遊び場を分けて、幼児スペースにはゴム素材を採用しているようです。

プレスリリース
「GW中の入園者数等について」

(PDFファイルなので、閲覧するためには、Acrobatというソフトが必要です。)