夏に流行りやすい感染症


トピックス  夏に心配な子どもの病気

 夏休みに入り、子どもたちには嬉しいシーズンの到来ですね!6月末から7月初旬にかけては、保育園や幼稚園、小学校などでプール開きもあったことでしょう。しかし、こんなに楽しい季節にも、子どもたちには危険がいっぱいです。その中で今回は「夏に流行りやすい子どもの感染症」について取り挙げてみました。

[1] 手足口病の流行

みなさん、手足口病をご存知ですか?乳幼児がかかりやすい毎年流行する夏風邪の一種ですが、今年は特に大流行しているようですので十分な注意が必要です。地域の保健所や小児科医からの情報を敏感にキャッチして、お子さんの様子などに気をつけてあげてくださいね。

手足口病について(町田市はやしクリニック配布資料参照)

●症状
手のひら、足の裏、おしりなどに小さなもりあがった発疹が出ます。また、口の中にも水疱(アフタ)ができます。口の中にできると物を食べる時に痛がる事があります。また、よだれも増えます。37〜38度台の発熱が1〜3日続くことがあります。また発疹は1週間程度で治ります。
●注意事項
この病気の症状は変わっていますが、毎年流行する夏風邪の一種で、特にこわがる必要はありません。温かい食べ物、塩味の強い食べ物は痛みをひどくしますので控えましょう。固形物を食べられない時は、ジュース、アイスクリーム、ヨーグルトなどを与えて脱水にならないように注意しましょう。まれなものですが、合併症として髄膜炎、脳炎があります。頭痛を訴えてきたり、ぐったりしている時は受診して下さい。発熱やひどい口内炎で本人がつらい間は自宅安静ですが、水ぼうそうなどと違い、医学的に登校登園禁止の必要はありません。原因となるウィルスは一つではないので、はしかなどと違って何度もかかることがあります。
*水分も取れないくらい口の痛みがひどく脱水をおこすことがあります。おしっこの回数が少ない、くちびるが乾いているなどの症状がある時は受診してください。重症の場合は点滴も必要です。

感染症発生動向調査idwr週報(国立感染症研究所 感染症情報センター) 手足口病・腸管出血性大腸菌流行状況などの最新情報が毎週掲載されています。
群馬県医師会 最新感染症情報のページでは、県内情報の他にも全国情報として様々な感染症発生動向調査結果のグラフを見ることができます。
鹿児島県感染症のページ 最新情報として、県内で急増している手足口病について詳しく掲載されています。
山形県感染症患者発生情報 手足口病が急激に増加していることがよくわかります。
感染症対策情報(熊本県医師会) 急激に増加している手足口病やヘルパンギーナの予防についてのコメントもあります。
池田市医師会 手足口病の他にも、溶連菌感染症、とびひなどに関する情報も豊富です。
地域感染症速報(こおり小児科) 手足口病をはじめとする様々な子どもの感染症の流行が数字で把握できるようになっています。
先生のコメントも参考になります。

[2] まだまだあります!プールなどで感染しやすい病気

●咽頭結膜炎(プール熱)
喉が赤く腫れて痛くなったり、目が赤くなって目やにも出ます。また高熱になり、後頭部リンパ節が腫れます。

●流行性結膜炎
目が赤くなり結膜がにごってきます。目やにや涙がたくさん出て、瞼も腫れてしまいます。

●急性出血性結膜炎(アポロ病)
結膜が赤くなり、瞼が腫れて眼痛を伴います。

●伝染性軟属腫(水いぼ)
ウィルスによっておこる皮膚の病気で、直径1〜5mmの光沢のある丘疹。裸で触れ合うプールではとりわけ感染しやすい病気です。

●伝染性膿痂疹(とびひ)
皮膚が赤くなり、しだいに米粒大の水疱になります。水疱は薄く破れやすくジクジクしたりカサブタを作ったりします。このジクジクしたおできからの滲出液で皮膚に次々と「とびひ」します。まれに急性腎炎の合併症をおこすこともあるので注意が必要です。

外来でよく見る感染症(土川内科小児科・小児科の部屋) 子どもがかかる様々な感染症について、わかりやすく解説されています。中でも「家庭で気をつけること」はお母さんの参考になること間違いナシ!