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アメリカ育児事情〜子どもの安全管理〜(けめこ@ボストン)

 私達は現在、アメリカ東海岸にあるマサチューセツ州、ボストンの郊外に住んでいます。アメリカは御存知の通りとても広い国で、州ごとに法律が異なる上、同じ州内でもまた市町村の条例に差異があるため、地域によって色々なことが違ってきます。

 公立小中学校のカリキュラムでさえ、各市町村で異なります。これは地方自治体が住民に教育税を課しているためで、教育税の高い地域は公立学校の運営資金が豊富なため必然的にレベルが上がり、そこにまた教育熱心な家族が集まる…そんな図式があります。そして、そういうところは治安的にも良い地域ということになります。私達の住んでいる町は教育税が結構高いので、治安も全米ではかなり良い部類に入ります。しかし、小さな子供だけで街中を歩いている姿はまったく見掛けません。
 
 
アメリカでは一般に13歳になって初めてティーンエイジャーとして認められ、行動の責任が自分にあるようになります。それまでは常に親が保護する義務があるのだそうです。このため、13歳未満の子供だけで街を歩いていれば子供達は保護され、その親達にはペナルティーが課せられます。ショッピングモールの子供の遊び場(例えば日本のデパートの屋上、おもちゃ売り場のプレイルームなど)ですら親がついてないと子供は警察に保護されてしまいます。日本の様に子供が遊んでいる間に親が買い物を、という訳には行かないようです。

 また、車の中に短時間でも子供を置き去りにしたり、子供だけで留守番させることも禁止されています。これらを発見した場合は、通報の義務も大人にはあります。誘拐等の犯罪防止と共に、親(保護者)による虐待問題もからんでいるのでこのあたりはかなりナーバスになっているようです。

 こちらにきて、私がまず何を一番負担に感じたかというと、子供の送り迎えです。お友達の家に遊びに行く時、習い事の行き帰り、上に書いた「子供を守る義務」のため、常に保護者が付き添わなければなりません。私は運転手です。姉弟二人いるとそれぞれ友達も違うし習い事も違う、またお友達の家なら送り届けて迎えの時間にまた行けば良いのですが、習い事などは終るまで待っていなくてはいけなくてそれもまた大変。日本の様に「行ってらっしゃい。気を付けてね。帰りに寄り道しちゃダメよ。」とはいきません。

 子供の安全管理に関して、私がこちらにきて知った事、自分で感じた事、友人に教えてもらった事などを挙げてみます。
 

★お祭りでピエロから風船をもらう(無料)為の列★

このような列にも親が一緒に並んでいます。

日本だと、お金を払う必要がなければ、子どもだけが並んでいることが多いですね。

 
車について
  • 13歳以下の子供は原則的に助手席には乗せない。
  • 5歳まではチャイルドシート着用、州によっては体重で決まるところもあるらしい。
  • 5歳以上もブースター、シートベルトカバーなどを使用する。チャイルドシートについては、常識となっており、ほぼ100%普及だと思う。
自転車について
  • 必ずヘルメットを着用(かなり厳しい)。
  • 小さい頃はひじあて、ひざあても。
    おもちゃやさんなどで色々な種類の、かわいい、かっこいい、ものが売っているため、日本でたまに見る白いヘルメットで学校に通っている姿にくらべるとおしゃれで、抵抗なく着用できると思う。
  • 自転車通学は小学校三年生以上で親の許可があれば良い。ただし、私達の住んでいる地域ではほとんど見かけない。
公園について
  • 子供を公園で遊ばせている時、ヨットパーカーの帽子のひもが危ないと注意された。
  • 同じく、服、ミトン等にひもがついているものはだめらしい。→理由:遊具に引っかかって事故を起こす原因となるため
おやつについて
  • ぶどうなどを、子供(とくに小さい子)に与えるときは、ひと粒を二つにナイフで切ってあげている。
  • ある程度の年令の子供でも、走行中の車の後部座席等で食べる時は同じ。(大人がすぐに対処できない場合)
  • あめは棒つきのものを。(チュッパチャプスみたいなもの)→理由:喉に詰まらせないため
  • コップ等はシェアしない。かならず各子供のもの以外使わせない。水筒のコップ一つでみんなで飲むなんてことは絶対しない。
  • 幼稚園でお昼のあと歯を磨く時、歯磨きチューブから歯ブラシへは直接つけない。生徒の人数分だけちょっとずつ紙皿に出し、個人の歯ブラシでそこからとる。→理由:伝染病の予防
放課後友達と遊ぶ時
  • スクールバスで通っている子も、親が送り迎えしている子も、放課後友達の家へ遊びに行く場合は(プレイデート)、その旨を双方の親がクラス担任に手紙を書いて知らせる。
  • 友達が自宅に遊びにきている時、自宅以外の場所へ連れ出す場合は、事前にその友達の親に連れて行って良いかの確認を取る。
外でのトイレ
  • 絶対に子供一人では行かせない。→理由:誘拐、変質者の回避
その他日本と違う制度など
  • 高校生になるとベビーシッター(13歳以下の子供と一緒に留守番)のアルバイトができるが、ベビーシッター講習の受講が義務付けられている。
  • 救命救助、人工呼吸、心臓マッサージの方法などの講習をうける機会が多い。
  • 外で自分の子供をどなったりするような叱り方をしていると通報される場合あり。(幼児虐待と見做され、通報の義務があるらしい)
  • 子供のパジャマを探した際、日本でよくある綿のものがない上、どれも体にピッタリとフィットするものばかりなのを不思議に思っていたら、この地方では暖炉がある家が多いため、燃えやすい綿の材質、火に触れやすいダボダボの形体を避けて事故を防ぐためだという事でした。こういったのは、寒い所ならではなのでしょうね。
 

以上、いくつか知っている事、気付いたことなどを書いてみました。 今住んでいる地域は上記のようなことがあたりまえに行われていますが、アメリカは広いです。スラムみたいなところではやはりぜんぜん違うのだと思います。