明石市 花火大会事故 情報


事件概要および関連ページ

7月21日午後8時40分ごろ、兵庫県明石市の大蔵海岸からJR山陽線朝霧駅に通じる歩道橋(長さ約100メートル、幅約6メートル)上で、花火大会の見物客が将棋倒しになりました。死傷者230人以上、内11人の尊い命が奪われました。また、死者のうち9人が9歳以下の幼い子どもたちでした。

明石・歩道橋事故 神戸新聞WebNewsの「ニュースナウ」という特集ページです。この事件の現在までの経緯、地元ならではの詳細情報、様々な分野の専門家たちの意見、不幸中の幸いで事故に遭遇しながらも一命をとり止めた方々のインタビューなどが掲載されていて、事件の詳細がつぶさにわかります。
花火大会の雑踏で事故に遭わないために 「日本の花火」ホームページの8月1日発表の緊急起頁です。子連れに限らず、安全に花火大会を楽しむためのアドバイスが掲載されています。

参考資料

朝日新聞 2001年07月30日 朝刊より

雑踏の安全対策 専門家に聞く

 花火大会、夏祭り、お盆の帰省……。夏は親子で人込みに出かける機会が多い。兵庫県明石市の花火見物客の事故では、多くの子どもが巻き込まれた。人が集まる場所では、今回のような大事故に至らなくてもトラブルが起きがち。大人も一層の注意が必要だ。専門家に安全対策をきいた。

○中央よりも両サイド 消防職員
 花火大会やスポーツ観戦などのイベントに子連れで出かけた場合、どんな注意が必要か。
 管内に観光地を持つ神奈川県鎌倉市の消防職員で「新わが家の防災読本」などを監修した清水順士さんは、まず、人込みを避ける工夫をあげる。
 事故の多くはイベント終了間際、人が帰る時に起こる。子連れなら、ワンテンポ遅らせて帰宅することを勧める。「帰るときは、競うように早く動こうとする人が多い。遅らせることで、落ち着いて行動できる」
 それでも人込みの中を進む必要がある場合は、流れの中央よりも両サイドを歩いた方がよいという。明石の事故のような歩道橋やホームは別にして、万一のときに逃げやすいからだ。
 そして何より大人は常に「周囲の状況に五感を働かせることが大事」と強調する。特に周囲の「声」に耳を澄ます。怒声が混じっていないか、警備陣がどんな呼びかけをしているかに注意を払うことで、いざという時の対応が違ってくるという。

○子供の目の高さ意識 遊び指導員
 帰省ラッシュの電車のホームや空港などでは、大人はついつい子どもをせかしがちだ。
 キャンプなど子ども同士の遊びを支援し、子どもを引率することが多いNPO「東京少年少女センター」事務局長の神代洋一さんは、「人込みでは、親が子どもの目の高さになって行動を考えてほしい」という。
 人の流れの中に入ることは、子どもにとっては、周囲を大きな壁に囲まれ、身動きできなくなるようなもの。見通しがきかず、安全か危険かを判断する余裕を失い、ただ大人についていくしかない不安な状態だ。大人がちょっと目を離せば、はぐれてしまう危険もある。
 「子どもは人込みを目にすると、たいてい立ち止まるんです。それは危険を察知する子どもなりの判断力。夜など、子連れだと急ぎたくなる気持ちもわかるが、子どもは待つことに意外と慣れています。人込みを前に、子どもがどう感じているか考える余裕を大人が持ってほしい」と語る。

○夏場は熱中症に注意 看護婦
 人込みで子どもの気分が悪くなることもある。子どもの体調や場所などにより様々な原因が考えられるので一律な対応は難しいが、夏場はなんといっても熱中症が心配される。
 日赤東京都支部で幼児安全法の講習会を指導する看護婦の笠作紀里子さんは、「子どもは身体的機能が未発達で、環境の変化に順応することができず体調を崩しやすい。大人の都合で長時間人込みを連れ歩かないことが大切」とした上で、「子どもの変化に気を配って」とアドバイスする。
 様子が少しでも変だったら静かな、空気のよい落ち着ける場所へ移動する。近くに救護所があれば活用してもよい。衣服をゆるめて水分を補給し、汗ばんでいたらふいたり肌着の交換をしたりして、しばらく休憩しながら様子をみる。
 日赤では、幼児に起こりやすい事故と手当ての講習会も実施している。くわしくは、各都道府県にある支部に問い合わせを。

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