レポート:副所長にしえ
去る6月27日(月)、平成23年度キッズデザイン製品開発 支援事業シンポジウムに行ってまいりました
1959年以来、1〜19歳の死亡原因の1位は「不慮の事故」であるということを受け、 経済産業省では、2007年度より、子どもを安心して生み育てられる生活環境の整備に向けて、「安全知識循環型社会構築事業」
を開始しました。この事業においては、事故情報を収集し、これを確実に事故対策までを つなげ、事故を予防できる社会システムの構築を目指しています。
この「安全知識循環型社会構築事業」の一環が、キッズデザイン製品開発支援です。経済産業省では、「キッズデザイン」を以下のように定義して、その開発支援を行っています。
- 子どもの安心・安全(事故予防)や創造性の育成、子育てしやすい環境の整備等に配慮されたデザイン
- 子ども向けの製品・サービスだけでなく、子どもが触れる可能性があるすべてのものを対象とし、子どもの視点を取り入れたデザイン
- 事故事例や、子どもの身体特性等のデータに基づいたデザイン
尚、プログラムは以下の通りでした。
- 13:30 開会
- 発表 「キッズデザイン製品開発支援事業について」
村山 正子 経済産業省 製造産業局デザイン・人間生活システム政策室 室長補佐
- 発表 「子どもの傷害予防への取り組み −その進化と広がり−」
山中 龍宏 緑園子どもクリニック 院長/医学博士/日本小児科学会
- 発表「平成22年度キッズデザイン製品開発事業共創プロジェクトの成果概要」
西田 佳史 (独)産業技術総合研究所 デジタルヒューマン工学研究センター
- 発表 「プロジェクトの募集について」
特定非営利活動法人(内閣府認証NPO)キッズデザイン協議会
休憩(5分)
15:10 平成22年度キッズデザイン製品開発支援事業共創プロジェクトのご紹介
- 発表「角等の性状に関する衝突安全性評価 方法の研究」住友林業(株)
- 発表「隙間・穴・角・稜線に対する安全基 準とチェックリストの作成」(株)LIXIL
- 発表「家電における、安全安心情報を取り 込んだ開発の「しくみ」構築と製品化研究」
三菱電機(株)
- 発表「次世代エスカレーターに向けた要素 技術研究」東日本旅客鉄道(株)JR東日本研究
開発センター
- 発表「子育て賃貸住宅評価基準の設定及び生活実態調査デ−タ」ミサワホ−ム(株)
- 質疑応答
- 17:00 閉会
これらの研究成果は、ほとんどすべてWeb上で公開されています。ぜひ一度ご覧になってみて下さい。
キッズデザインの輪
特に、保護者の皆様には、「事故予防コンテンツ」がおススメです。家庭内事故事例の動画集で、自分のお子さんが今どのような事故に遭いやすいのか、もしくは、もう少し成長す
ると今度はどんな事故に遭いやすくなるのか、を目で見て確認して、対策を考えてみましょう。
ところで、今回のシンポジウムには、研究所サイト内のリンクチェックなどを手伝ってくれている宮原さんにも同行してもらいました。彼女は、どんな感想をもったのでしょうか(^^? まだ育児経験のない彼女も、いろいろなことを考えさせられたようです。
<宮原さんの感想文より抜粋>
一番印象に残ったのは、子ども向け室内遊具施設における遊具についてのお話です。近年人気が高い、一見衝撃を和らげてくれそうな、ふわふわしている遊具(例:ふわふわドーム)でも、骨折による事故が起きているそうです。
産業技術総合研究所の西田氏の説明によると、飛び降りる高さや子どもの体重、飛び降りる時の遊具の位置によっては、骨折してしまう可能性があるとのこと、一見危険そうに見えなくても、目に見えない危険があるのですね。
その他、各企業や研究者方々の研究成果を聞き、子ども達の身の回りには危険そうに見えなくても危険が潜んでいて、意外な所でけがをしてしまう事もあるという事が分かり、とても興味深かったです。 |