トピックス応急処置相談機関
 >> 商品研究報告 || 危険回避見聞録 || アンケート調査結果 || 所長のへや 

所長よこや&副所長にしえが、様々な企業や団体にお伺いし、 子どもの危険回避に役立つ情報を実際に見たり聞いたりして レポートするコーナーのバックナンバー第3回のページです。
戻る→危険回避見聞録 最新取材ページへ

第3回 タカタ株式会社 チャイルドシート部門 編 (2002年2月28日取材/4月1日アップ)
  乳幼児兼用チャイルドシート・ミリブ4000、モニター募集!詳細は記事中をご覧下さい。(*2002/04/30終了)

右が広報室の菱川様・左がにしえ
 みなさんは「チャイルドシート・アセスメント」をご存じですか?国土交通省自動車事故対策センターが、 自動車アセスメントの一環として、平成13年度から市販のチャイルドシートの安全性能について試験をして、その結果を公表することとしたものなのです。 チャイルドシートアセスメントにおいては、前面衝突試験と使用性評価試験を実施しています。 このようにチャイルドシートを公的機関で評価をするという試みは世界でも初めてで、その結果は平成13年12月7日、国土交通省のホームページにてインターネット上に公開されました。(平成13年チャイルドシートアセスメントの結果
 ここで注目されたのが今回取材させて頂きました「タカタ株式会社」様のチャイルドシートなのです!
インタビューに応じて下さったのはチャイルドシート部門室長でいらっしゃる伊藤友進さまと、渉外・広報室の菱川豊裕さまです。 ←上がジュニアシート、
 下がアセスメントで優秀な評価を得た「ミリブ4000」
  このアセスメントでは、有名育児用品メーカーのチャイルドシートが軒並み「推奨せず」という評価をされた中、タカタの製品は旧基準製品でも「良」、2003年新基準製品では「優」の評価を得ているのです。また、アセスメント結果を見る場合は、テスト結果の各商品下の「但し書き」に注意してください。何かトラブルがあった場合に、その内容が但し書きに書かれています。ミリブの場合、それもありません。(参照:チャイルドシートアセスメント試験結果一覧表 の「その他の事象」という部分です)
 この評価の差は、いったいどんなところの違いなのでしょう。まずはタカタ株式会社様の沿革についてお伺いしてみました。
★シートベルトの開発からスタートした会社
 タカタ株式会社は元々、織物製造からスタートし、なんと戦時中はパラシュートのつり紐を開発・製造していたそうなんです。 戦後その仕事が減少したため新規事業を考えるためにアメリカ視察に行き、NASAによるシートベルトの研究を見て、 タカタでもシートベルトを開発・製造することになりました。

 その後、1977年に日本で初めてチャイルドシート第一号を発売しました。 当時はチャイルドシートと呼ばれるものはなく、車のシートに引っ掛けて子どもを座らせるものがあっただけという市場の中で、タカタはしっかりとした「安全機器」としてチャイルドシートを発売しました。 まだシートベルトも法制化されておらず、当然着用率も低かったので、それを改善するために「子どもにシートベルトをするようになれば、大人もするだろう」、「子どものうちからしていれば大人になってもするだろう」ということでチャイルドシートを開発したそうです。 つまり、ベビー用品ではなく、自動車用品としてスタートしたわけですね。このような沿革に、自動車を知り尽くしたタカタならではの 安全性を追求できた秘密が隠されていたのです。


赤坂のショールームで
ジュニアシートの取り付けを
説明して下さる伊藤さま
*参考商品使用
★様々な試験設備で安全性をチェック!
 今回のアセスメントにおいて、他社をよせつけない優秀な評価を得ることができた理由の1つは先述した通り、シートベルトの開発で得た知識・経験・研究成果ですが、実はもう1つ挙げることができます。それは他社にはない充実した衝突試験設備です。滋賀県内に打ち出し式試験機2台、打ち出し式油圧試験機1台、衝突型1台、屋外実写衝突試験装置1台を持っていらっしゃいます。ここでは、アセスメントで行われる前面衝突実験の他に、側突・後突をはじめ、なんとロールオーバー(回転)の実験までして安全性を確認するというのですから、ものすごい徹底ぶりです!

 ここで私たちが気付かされたことは、事故が起きることを前提に考えずにチャイルドシート選びをしていたという現実です。ロールオーバー実験までされていると聞いて心底驚いてしまったのは、「まさかそんなことがあるわけない!」と、そこまで悲惨な事故を想像していなかったからではないでしょうか?しかし、そんなことが断言できますか?大切な赤ちゃんが悲惨な事故に巻き込まれてしまう確率は皆同じくらいなのではないでしょうか?最悪の事態を考えた時、今話題のベッド型がどれだけ危険かということも容易に想像できますね。例えば前面衝突の場合であったとしても、背中全体で衝撃を受けるのと違い、赤ちゃんが寝た状態で体の側面一辺のみに衝撃(圧力)がかかってしまいます。やはり広い面積のある背中で受けとめた衝撃は分散され軽傷で済む可能性が高いというわけです。ましてや側突した場合は、赤ちゃんの首に圧縮する力がかかってしまうのです!
★機能性重視のデザイン
 タカタのチャイルドシートには、まだまだ秘密がたくさんあります!なんと2000−2001グッドデザイン賞も受賞しているのです!これは見た目のデザインはもちろんですが、機能性を重視したデザインであるという点が非常に認められた部分であるとおっしゃっていました。例えば、右の写真をご覧下さい。これはシートベルトのバックルの部分です。この高さは自動車によってまちまちであるのですが、タカタのチャイルドシートはこのベルトを通すポジションを高めに設定してあるため、どんな車にも安全に取り付けることができるそうです。もしこのバックルの高さの方が高すぎてしまった場合は、確実に取りつけることは不可能になってしまいます。このように、タカタのチャイルドシートは、女性にもカンタンに、安全に取り付けができるように様々な工夫がされているのです(^^)
★ジュニアシートについて
 さて、チャイルドシートの選び方については様々なメディアで紹介されているのですが、ジュニアシート についての情報はあまり得るものがないような気がしませんか?そこで、ジュニアシートについてもお伺いしてみました。 ジュニアシートを選ぶコツは、「背もたれがついているか、いないか」だそうです。 「覚えていただきたいことは、『ジュニアシートは、ベルトポジショナーだ。』ということです。 つまり、腰ベルトと肩ベルトが正しく子どもにフィットされなければ意味が無いので、 肩ベルトの位置を固定できる背もたれつきを選んでください」とのアドバイスをいただきました。 それから、サイドウイングの高さの調節ができ、シートベルトが子どもの首にかかったり しないような物を選びましょう。また、ロールオーバー実験では、逆さになってしまう可能性もあるので、 チャイルドシートもジュニアシートもできるだけ軽いものを選ぶというのも重要だそうです。 軽い方が、ママでも取り付けしやすいという利点もありますね(^^)本当に軽くて、妊婦のにしえも片手で軽々持てるほどでした。
*後日モニター商品を取り付けました。子どもも大喜び。 (本来は、ピースをした手をのせているサイドウイングの下に肩がおさまり安定します) にしえは片手でシートを持っています。
(*写真の商品:ジュニアシート:ミリブ・ブースターは、にしえがモニターします。今回のモニター募集商品とは別のタイプです。モニター募集はページの最後でお読みください。)
 他にも、子どもの危険回避研究所の掲示板で話題になったことについて、いくつかお伺いしてみました。

Q:チャイルドシートの価格と安全性は正比例しますか?
A:いいえ、しないと思います。このことはアセスメントの結果を見れば一目瞭然です。

  タカタは本当に安全性に必要な機能だけを追及し、低価格なチャイルドシートを実現しました。
  高いものが安全というのは本来おかしい話なのです。安全性はお金と関係していてはダメで、
  付加価値の点で左右するものであるべきです。そうじゃないと、お金持ちだけが助かるというのは
  おかしいですよね。

Q:ハンドルとの間に子どもを置く人がいますが。。。
A:あれは非常に危険です。

  子どもをエアバッグ代わりにしているのと同じですね。「チャイルドバッグ」になってしまいます。
  50キロのママが時速50キロで衝突すると、体重の30倍の1トン半の力が子どもにかかることになって
  しまいます。
  「ちょっとだから」という気のゆるみが事故の原因として多いと思います。
  シートに慣らして、子どもに自分の席として認識させることが大切です。


Q:幼稚園帰りに1人のママが数名の子どもを預かって車に乗せたりする場合は?
A:乗せてはいけないですね。

  欧米では、子どもを知り合いの車に乗せてもらうときは、チャイルドシートもセットで貸し出す、
  というのが当たり前になっています。日本では未だそこまで徹底されていませんが、取り付け方を
  完全に覚えて、是非見習って戴きたいものですね。

Q:自治体によって貸し出ししたりすることもあるようですが、リサイクルについては?
A:チャイルドシートはシートベルトやヘルメットと同じで、一度強い衝撃を受けると、
  再使用できなくなります。
(ヘルメットは地面に落としただけでも、使えなくなります。)
  リサイクルで一番問題になるのは、チャイルドシートが事故などの強い衝撃を受けたかどうかが
  製品を見ただけでは判り難いという点です。自治体などでの貸し出しも、この点に
  一番神経を使っています。自分の兄弟のおさがりなどのように、事故の履歴が簡単に
  掴めない場合は、あまりお薦めできません。

 最後に、子どものことばかり言いましたが、大人もシートベルトをしっかりつけないと、危険なのは同じです。ご注意を!シートベルトをしめていないと、いざという時にブレーキを強くふめない、ということも事故の原因になっているそうです。また、「エアバッグ」とチャイルドシートは一緒に使わないこと! 1000分の30秒でふくらむエアバッグは、時速200キロの勢いを持ちます。それが子どもを直撃したら、子どもはふっとんでしまいます。エアバッグのついた車の前の座席に子どもを乗せるのは大変危険ですので絶対にやめましょう。
★チャイルドシート「ミリブ4000」モニター1名募集!

 なんと、今回「ミリブ4000」 を、タカタ様よりご提供頂けることになりました!そこで当サイトでは、モニターを大募集!6ヶ月の間に3回、レポートと写真をお送りくださる方で、ぜひ体験してみたい!という方は、以下の項目を明記の上、以下のアドレスにメール下さい(^^)審査の上、当選者を決定させて頂きます。
*本名は公表いたしません。*商品はモニター期間後プレゼントします。(締切2002.4.30)
※モニター募集は4/30をもって締め切らせていただきました。当選者の発表はこちらをご覧ください(^^)。

一足お先に、バースコーディネーターの大葉ナナコさんとベビー(生後4ヶ月半)にも、商品のモニターをお願いしました。とっても乗り心地がよさそうです!
  

 第3回の危険回避見聞録はいかがでしたか? 
さて次回はどちらににお伺いしようかしら?乞うご期待(^^)!

 



〔 子 ど も の 危 険 回 避 研 究 所 ス タ ッ フ 〕
親子で生きる力を伸ばそう!という主旨の元に集まったメンバーです!
所長
副所長
研究員
研究員
相談役
よこや まり
にしえ まゆみ
かとう ようこ

おおふち きょうこ

おのでら えつこ
えんどう ゆうた

しもあおき たずこ

たさい たかこ
くろだ みか

おざき ゆきこ
イラスト
えんどう マーチ