「抱っこひも」に関するアンケート 結果発表

研究所から、メッセージ
 今回、皆様から様々な体験談やご意見を伺ってみて、改めて抱っこひもにもおんぶひもにも気を抜けない部分があることを再確認しました。しかし、あると重宝するものですし、何も使わず抱っこするより数段安全性は高くなります。このアンケートを参考に、上手に赤ちゃんとの生活に取り入れていただきたいと思います。ご協力ありがとうございました。

先輩ママ(パパ)たちからの貴重なご意見を抜粋しました。ぜひご参考になさって下さい。
(アンケートだけではなく、メールでいただいたご意見も掲載しています。)
抱っこひもについてのご意見抜粋ページ

■アンケート調査の概要

  • 調査期間:2007年2月15日〜2月26日

  • 調査方法:インターネットアンケート(公開型)

  • 回答者数:279名(有効サンプル数)


■主な設問内容

  • 使っていらっしゃる、または使っていらした、メーカーと商品名と、その商品を選んだ理由を教えて下さい。
  • 使用した抱っこひもで、困ったこと、気になったことはありますか?
    疑問点、不安点などがありましたら、詳しく教えて下さい。
  • 抱っこひもにまつわる「ヒヤッとした体験談」「親や子どもがケガをしてしまった体験談」などがありましたら、詳しく教えて下さい。(ご自分の体験談でも、お知り合いの体験談でも、街で見かけた光景でも構いません)
  • 今後抱っこひもを使われる方に、何かアドバイスがあれば教えてください。(選び方、使い方など)


■調査結果 INDEX

  1. 抱っこひもを選ぶポイント
  2. 抱っこひもを使用してみて、困ったこと・気になったこと
  3. 抱っこひもにまつわる「ヒヤッとした体験談」「親や子どもがケガをしてしまった体験談」
  4. 今後抱っこひもを使われる方へのアドバイス
  5. スリングについての体験談
  6. 抱っこひもについてのご意見抜粋


 

■抱っこひもなどに関する危険や危機意識ついて、まとめ
 (抱っこホルダー、スリング、おんぶひもなども含む)

 今回のアンケートを実施致しまして、以上のようなことがわかりました。また、これらを踏まえて、乳幼児の保護者の方々に、どのようなことを啓蒙していくべきなのかを考えてみました。
  1. 「落ちそうになった」などのヒヤッと体験が多数!
     抱っこひもにまつわる「ヒヤッとした体験談」「親や子どもがケガをしてしまった体験談」についての回答の中で一番多かったのが「落ちそうになった」という体験談でした。中には、実際に赤ちゃんを落としてしまったという事例もありました。赤ちゃんを抱っこするためのグッズなのですから、各メーカーは、様々な研究や実験を重ね、安全面には細心の注意を払って商品開発をしているはずであるにも関わらず、「落ちそうになった」「落ちてしまった」という体験談が多いのは何故なのか、さらに回答を分析してみたところ、以下のようなことがわかりました。
     ●前かがみになったり、しゃがんだりする時は要注意!
      
    例) ・物を拾おうとした時
          ・靴を履こうとした時
          ・抱っこひもを赤ちゃんに装着して抱っこしようとした時、もしくは下ろそうとした時
     ●きちんと装着したつもりが、できていなかったということもある。
     
     例)  ・ボタン式だったベルトがきちんとはまっていなかった
          ・腰の隣でフックをはめるタイプの
    ベルトがきちんとはまっていなかった
           ・ベルトが緩んでしまった
          ・スリングのリング部分がスルスルっと緩んでしまった
          ・アジャスターの閉め忘れ。閉め間違い
     ●赤ちゃんはお人形ではないので動きます。時には「暴れる」ことも忘れずに。
     
     例)  ・赤ちゃんが泣いてのけぞり返るとき

     ●部品が壊れてしまうこともある、という最悪の事態も想定すること。
      
    例)  ・スリングの金具が割れてしまった
          ・抱っこひもが切れてしまった

    対策! 
    ・抱っこひもを装着していても、万が一に備えて、赤ちゃんには手を添えましょう。
    ・抱っこひもを装着する時、一人でやる場合は慎重に。
    ・装着を手伝ってくれそうな人がいたら、手助けしてもらいましょう。
    ・正しく装着するために、説明書を熟読しましょう。


  2. 自動車を運転しながらの使用はやめましょう。自転車の運転中も危険です。
     自動車の運転をしている時に抱っこやおんぶをしている人を見かけるという体験談もありました。もし衝突事故に遭ってしまった時は、赤ちゃんはどうなってしまうでしょう?大きな事故ではなくても、ほんのちょっと急ブレーキをかけただけでも危険です。また、赤ちゃんが泣いたり暴れたりした時には、お母さんの運転に支障をきたし、逆に事故に遭ってしまうかもしれません。そもそも、自動車に子どもを乗せる際にはチャイルドシートに乗せなければならないと法律で決まっているはずです。
     では自転車の運転中はどうでしょう? 自転車を運転する際に子どもをおんぶしてはいけない、という法律はありません。法律違反ではありませんが、やはり危険を伴うことは確かです。できれば、子どもを抱っこやおんぶしたまま自転車を運転することはやめた方がよいと思います。


    対策!
    ・ いろいろなケースを想定してみて、危険だなあと感じたら使用しないように。


  3. 前抱きの場合、ママが転んでしまうケースも多い
     抱っこひもの使用中は、前や足元が見えにくく、ママが転んでしまったり、階段から下りる時に怖い思いをしたという人が多数いらっしゃいました。

    対策!
    階段は慎重に、手すりをもって一歩一歩足元を確認しながら上り下りすること。
    ・ 赤ちゃんに手を添えることも忘れずに。



  4. おんぶの時は赤ちゃんが見えにくいことを忘れずに
     赤ちゃんをおんぶしたまま家事をするママが多いようです。そんな時におんぶひもはとっても便利なグッズですよね。でも、赤ちゃんが背中にいるので、見えにくいというデメリットもあります。家事だけではなく、外出時にも注意が必要です。

      例)  ・おんぶをしていると頭をよく打つ
          ・調理していたら、後ろから、手を伸ばして、コンロに触りそうになった
          ・家事に夢中になっていて、おんぶしたまま寝ていってしまい、壁や柱で頭をぶつけた
          ・エレベーターなどで、混んでいる時

     

    対策! ・ 周りの物が赤ちゃんにぶつからないかどうか、いつも確認しながら動くこと。


  5. 抱っこやおんぶで買い物に夢中になりすぎていると危険
     おんぶではなく、前に抱っこしていたとしても、買い物などに夢中になっていると、見えなくなってしまうこともあるようです。

      例)  ・スリングにくるまっている赤ちゃんが、ママが前かがみになっているときなどに
           商品にぶつかっている姿をときどきみかける
          ・赤ちゃんが熟睡して頭がぐらんぐらんしているのに気づいていない
          ・
    レジで財布を出すときに、赤ちゃんの頭を肘で何回かぶつけてしまった
     

    対策! ・ お買い物中も赤ちゃんに気遣いを。

  6. 赤ちゃんの体を圧迫してしまったというケースも。
     長時間にわたって抱っこひもやおんぶひもを装着していたり、装着する際にベルトの調整を誤ってきつくしめすぎてしまったりしたために、赤ちゃんが必要以上に圧迫されてしまったというケースも何件かありました。
      例)  ・おんぶを30分以上していたら、顔色が悪くなった
          ・きつくしすぎて、赤ちゃんの足がしびれてしまった
          ・手がうまく出ていなかったり、窮屈そうにしているのをみたことがある
          ・ひもが足にくい込んでいたのに気がつかなかった

          ・予防接種の帰りがけに抱っこひもにこすれてしまったらしく、
           接種あとから血が出てしまっていた。
     

    対策! 
    ・ なるべく長時間使用しない。
    ・長時間使用する場合は、途中で赤ちゃんをおろして、親子で休憩すること。
    ・ 赤ちゃんの様子に気をつけ、変だな?と思ったら、どこかを圧迫してしまっていないか確認する。
    ・どの抱っこひもでも、赤ちゃんの股が、自然なM字に開くように、つまり普通に抱っこするような形で姿勢が保てるように気をつけること。
    (生後4ヶ月くらいまでの赤ちゃんの股関節は、おむつの当て方や抱っこの仕方で股関節がずれる、「先天性股関節脱臼」になる可能性があるからです)

  7. なんとこんな事例も!
    ・電車の中や歩行中すれ違いのとき、横抱きだと頭をぶつけそうになる。
    ・駅の自動改札で、横抱き斜め掛けの抱っこひもをしている人がいて、『大丈夫かなぁ』と思っていたら、やはり赤ちゃんの頭が少しぶつかってしまっていた。
    ・まだ小さい子どもに抱っこひもを使わせて赤ちゃんをあやさせているのを見かけたことがある
    ・小さい頃、おんぶひもで遊んでいて、首に巻いて親に怒られたことがある。


    対策! 
    ・なるべく人ごみには出かけないようにする。
    ・自動ドア、エレベーター、エスカレーター、自動改札など、オートマチックなものに注意。
    ・赤ちゃんのお兄ちゃんやお姉ちゃんに抱っこひもで遊ばせないようにする。

  8. 流行の「スリング」。でも不安や疑問を持っている人たちも多数。
    最近のママたちの間で流行しているスリング。「泣いている赤ちゃんが泣き止む」「赤ちゃんがよく寝てくれる」などのよい効果があるようです。しかし、その反面、いろいろな不安や疑問を持っている方々もいました。 また、手作りできるのもスリングの長所ではありますが、手作りする際は安全性に不安が残ります。
      例)  ・赤ちゃんの安定感が悪そう
          ・ 赤ちゃんの背中が丸くなっているのが気になった
     

    対策! 
    ・日本ベビースリング協会のホームページを参考にしましょう。講習会のお知らせや、安全性の高いスリングを選ぶ目安(SSマーク)について説明されています。
    日本ベビースリング協会 http://www.japanbabysling.org/index.html

    以下のページも参考にしてみましょう。
    粋叶〜suito〜
    べびぃすりんぐ
    東北唯一のベビースリング専門店

    ベビースリングを安心して安全に使えるようにと、さまざまなコンテンツが用意されています。
    ・ベビースリングの安全性について
    ・ベビースリングQ&A

    カンガルーポケット

    群馬県で活動しているベビースリングサークルです。
    講習会のお知らせや、安全で使いやすいスリングとは?などのコンテンツがあります。




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